いまさら訊けない整体院と整骨院の違い

最近、街中でよく見かけるようになった『整骨院』と『整体院』、あるいは幹線道路沿いなどに広い駐車場を有する『マッサージ店』。これらの違いについて皆さんはどこまでご存知でしょうか？「なんとなく違うのは分かるけど、細かい部分までは知らない」という方が大半なのではないでしょうか？そこで、全てを調べた訳ではありませんが、私の知る限りの情報で説明してみたいと思います。

 

まず『整骨院』について…

　柔道整復師という国家資格を持つ方が開くことのできる治療院で『接骨院』と表記されることもあります。いわゆる昔でいうところの「ほねつぎ」さんで、主に捻挫・脱臼・挫傷などを扱います。これらは保険診療なので患者さんの金銭的負担は軽くなります。交通事故や労災に対応しているところも多いですね。一般的には「電気治療10分・手技療法10分」という感じでしょうか。

　また、一連の保険診療のほかに独自の裁量で自費診療を設けている治療院もあります。こちらは時間も料金も自由に設定できるようなので、お近くの治療院にお尋ねください。

 

次に『整体院』とは…

　こちらはあくまで民間療法であるところの「整体師」が構える店舗なので、明確な共通の資格というものはありません。特定の養成学校あるいは養成コースを履修すれば、その学校が発行する修了証・卒業証明書を手にすることができ就職や開業も可能です。解剖学や生理学などの座学と実技を２年～３年みっちり勉強する学校もあれば、半年間で手技の流れだけ叩き込まれる所もあるようなので、一口に「整体師」と言っても千差万別・玉石混合です。もちろん料金は保険適用ではなく、一般的に「10分1000円」が基本と言われています。

 

最後に『マッサージ店』

　これはとても微妙なのですが…。「マッサージ」と表記されているならば、少なくとも責任者あるいは店長が「マッサージ師」か「鍼・按摩・マッサージ師」の国家資格を取得していなければなりません。一人でもいれば、あとは無資格のアルバイトでも「マッサージ店」は成立するらしいです。

　逆に「リラクゼーション」とか「もみほぐし」という言葉を用いれば、全員国家資格の無いスタッフでも問題ないということです。チェーン展開をしている「リラクゼーション系」などでは、会社で用意した施設でアルバイト希望者に実技研修を行い、一定のレベルになると各店舗に配属されるようです。

 

 

さて、ここまではそれぞれの違いについて簡単に述べてきましたが、メリット・デメリットは下記を参考にしてください。

 

身体の不調や痛みなど皆無で気持ち良さを追求したい！という方にはリラクゼーションがよろしいでしょうが、慢性的な痛みや違和感を感じている場合には整骨院か整体院の方が適していると思われます。金銭面を考えると一見行きやすいのは前者ですが、保険診療の不自由な点は「患部以外触れない」という取り決めが有ることです。例えば肩の痛みで受診した場合、肩しか看てもらえないことが多いということです。「痛みのある個所を治療するのだから効率的じゃないか」と考えられる方もいらっしゃると思いますが、必ずしもそうとは限りません。腰や首が原因で肩が痛むことも少なからずあるからです。一回20分でわずか数百円でも週に３回、月に10回と重なれば時間的にも経済的にも徐々に負担も増えていきます。また、整形外科で保険診療を受けている期間は、整骨院や鍼灸院での保険治療は併用出来ないという点にも注意が必要です。長期間通院しても改善が見られない場合には、違う観点から見つめ直してはいかがでしょうか？

 

当然ながら、骨折の疑いや外傷など明らかな急性疾患の場合には、まず整形外科を受診することをお勧めします。